2021.04.05 月曜 曇後晴

<小春日和>

 

死んだ夏の虫を

低い午後の太陽が温める

 

あいもにくしみも漂白した空の高さ

 

地の底で 細い静脈が一本

静かに切れた

どこか遠くで 雲を映す水面に

小さな波紋が広がる

 

けさ郵便受けに絵葉書が届いた

青インクで書かれた宛名は どうやらわたしらしい

 

わたしは人のかたちに戻り

差出人を思い出そうとしている

 

2021 11 04改稿